コンテンツ東京レポート【前編】

4月3日~5日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「コンテンツ東京」へ行きました。
行ったのは最終日である5日。

コンテンツ東京に行くのは初めてだった。今回から新たに「Vtuberゾーン」が新設されており、リサーチしに行くことに。
前半はセミナーであった燦鳥ノムちゃんを、後半はセミナーの一部と出展ブースの内容を記載していく。

バーチャルYoutuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性

Vtuber業界におけるキーマン達が集まるセミナーを聞いてきた。
キズナアイちゃんをはじめ、多くのVtuberを束ねるActiv8の代表、大阪武史氏。
プラットフォームである「REALITY」を運用し、様々なコンテンツを生み出すWright Flyer Live Entertainmentの代表、荒木英士氏。
企業Vtuberとしては、かなりの注目を集める燦鳥ノムちゃんを運営する前田真太郎氏。
VRコンテンツへの先駆けである360Channelを運営する中島健登氏。

セミナーの中でも燦鳥ノムちゃんの話が、かなり興味深かったので自分なりに考察をしてみる。

大手企業としては、かなりの成功を収めている燦鳥ノムちゃん

大手企業Vtuberとしては、かなり早い段階でVtuberを初めた燦鳥ノムちゃん。前田氏曰く「一番最初を狙っていた」とのことですが、ロート製薬のVtuberである「根羽清ココロ」ちゃんに先をこされた模様。
初めたきっかけは、新しいことをトライするプロジェクトがきっかけだったようだ。2018年の1月頃に爆発的なVtuberブームを見て、2月にはプロジェクトが着手され、8月17日に自己紹介動画を投稿、デビューを果たした。「企業Vtuberとしてデビューする期間としてはかなり短い」とのこと。

Vtuberとしてデビューするには、それなりに時間がかかる。魂は誰が行うのか、キャラクターデザイン、また燦鳥ノムちゃんは3Dモデルを活用している為、そのモデラーの確保、受注。世界観の確定や、今後動画投稿して行く上での企画……企業ならば、必ずプロジェクトそのものに監査が入り、通すまでの時間が発生するはずだ。そういった意味でも「かなり短い」なのだろうと思う。
何より、2018年2月で注目されていたのは「企業Vtuber」ではなく「個人Vtuber」である。この時期から、かなりの個人Vtuberが生まれ、活動を開始した。一般的な認知をされていたのは「キズナアイ」ちゃんだけだろう。よって、企画を通す際もキズナアイちゃんを推して企画を通したとのこと。
前例が少ない状態でのGoサインはかなりの挑戦だと思う。

活動内容

Vtuber≒バーチャルYouTuberであるが故に、活動拠点はYouTubeである。
ただ、動画として出ているのは他のVtuberと変わらず「ゲーム実況」や「雑談」等だ。広告だけを行っている動画は存在しない。
ゲーム実況の最中に喉が乾いたと言って、自然に「サントリー製品」を飲む。ただそれだけであり、ゴリ押しとかはしないで飲む時も商品名とパッケージが出るだけで宣伝文句すら少ない。だが、ファン層からすれば「ノムちゃんが飲んでたな」と刷り込みがされるのである。
私はここが大きいと思っている。ゴリ押しをされると、その情報量に圧倒されて動画を見るのが疲れるし、その飲料自体に興味がなければ見るのを辞めてしまう。ただ、ゲーム実況を主軸に置けば変わる。ゲーム実況を見ているついでに……となる。そもそもほぼ毎回異なる飲料を飲んでいるので、今日は何を飲むのかな?と視聴者はポジティブな捉え方で広告を得ることが出来る。
そうして、徐々にファン層は「サントリー製品」そのものに「親しみ」を覚えてくるのだろう。

他にもタレント業やコミュニケーション活用を行っているとのこと。
通常、こういった企業のキャンペーンタレント等は、どこかの事務所に所属をして……というのが多くある。しかし、サントリー自身が持つIP、バーチャルタレントとして持っている為に自由度が高く、密着度も高い。
様々な挑戦をしていく中で、一本の動画をきっかけにノムちゃんの方針が変わった。それが「ドラマツルギー by 燦鳥ノム【歌ってみた】」である。現在既に170万再生とミリオンを超えている。ノムちゃんの代表的な動画になっている。

所謂、この動画が「バズった」動画だ。私も、初めてノムちゃんの動画を見たのはこの動画だった。
曲の世界観と、ノムちゃんの歌声・容姿がマッチしており、MVもかなりのクオリティだ。極めつけは、ラストに見せる「ノムちゃんの目」である、見てない人は是非とも見て欲しい。
そうして、Vtuberの立ち位置としても「歌の上手いVtuber」として確立し、先日3月1日に発売した初のVtuberコンピレーションアルバム「IMAGINATION vol.1」では「ハレ晴レユカイ」を歌っている。Vtuberを見ている層(20代前半~30代前半)には刺さる曲だ。

活動8ヶ月でチャンネル登録者数8万人

チャンネル登録者数8万人というのは、Vtuberとしてはかなりの数を持っているほうである。
2019年4月現在で言えば、76位の立ち位置。もちろん、専業で行っているいちからのにじさんじや、upd8所属タレント等に比べれば少なく感じるが、大手企業が行っているVtuberとして見るならば、上位と言っても過言ではない。
何故ここまでチャンネル登録者数を獲得することが出来たのか。
それは、ノムちゃんが他のVtuberと同じ目線で活動を続けてきたからである。Vtuberというのは、まだ形が不明確なままであり、テンプレートが存在しない。引かれたレールを進むだけではなく、自分でレールを引いて、進まなければならない存在だ。つまり、挑戦と試行錯誤をし続けなければならない。その中でも、調査・分析は必須であり、正直に言うとそれを怠る者は伸び悩む。
ノムちゃんは、ノムちゃんという立ち位置を自分で見つけ、他では代替出来ない位置まで行ったのだと思う。また、サントリーが行ったという所で敷居そのものを下げ業界そのものに与えた影響は大きいのだろう。

そうして、ファンを獲得した後もファンとしっかりと向き合い続けている。そうなってしまえば、コンテンツが潰れることはほぼ無い。
「ファンが居れば、ファンを人質に取れる」
つまり、ここまで来てしまえば、プロジェクトそのものを取り下げろと言った場合、ファンが味方になり一緒にノムちゃんを守ってくれるということである。

企業とVtuberについて

燦鳥ノムちゃんを始めとして、大手企業がVtuberを作るのは今後増えていくだろう。何より、第一人者であるノムちゃんに続くことで参入障壁は以前よりかは低くなった。
だが、Vtuberそのものが飽和状態なのも事実。生半可な気持ちで参入すれば、数カ月後にはコンテンツとして終わるだろう。大事なのは、先人から学び、自分自身の強みを作っていくこと。
そして何より、企業Vtuberであっても、Vtuberであることには変わらないという意味合いをしっかりと理解すること。企業Vtuberは衝撃を与えるが、衝撃を与えるだけでは視聴者はファンにならない。

ホームページが出始めた頃には1企業1ホームページなどありえなかったと言っていた。しかし、現に1企業1ホームページが当たり前の世の中になっている。
それと同じように、1企業1Vtuberを持つ時代が来てもおかしくは無いかもしれない。そうなった未来は、きっと今よりも楽しくなっているだろう。

Toriyabe

WRITER: Toriyabe

広く程よく深くがモットーに生きてます。

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