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今さら訊けない生成AIとUXデザインの関係

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1. はじめに

梅雨とは思えない暑い日が続いてますが、みなさんいかがお過ごしですか。キャンビーザライトの高山です。さて医者の不養生とばかりに全く更新してなかった本サイトですが、本日から色々書かせていただこうかと、一部AIの力を借りてキーボードを叩いております。

今回のお題はすでにそこら中で言及されているUXとAIの関係性について、今更ながら言及していこうかと思います。

1-1. UX設計とAIの関係性

まず大前提として、弊社の立場として、今までと変わらずユーザーエクスペリエンス(UX)の重要性は日々増していると考えています。デザイン思考が終わったとか、サービスデザインって何かの役に立つの、みたいな論調も溢れてはいますが、結局それぞれ手法の話で、お客さまをしっかり見よう、お客さまの声を聞こう、その見聞きした中からお客さまに喜んでいただけることを考える、というのはビジネスの基本のひとつとして変わりません。

ただ、とは言え従来のUX設計方法だけでは、迅速な市場変化や高度なユーザーニーズに対応することが難しくなっています。しっかりユーザー調査したら時間もコストも掛かりますし、お客さまにそのコストをそのまま負っていただく、社内調整していただくというのも中々厳しいご時世になってきているのも事実です。

そのような状況で登場したのが第三次AIブームの中で2022年11月にOpen AIが公開したChatGPTから現在までとんでもない速度で進化している、皆さんご存知の生成AIです。本記事ではでは詳しくは触れませんが、生成AIは、データ分析、予測、パターン認識などの能力を持ち、UX設計に革新をもたらす手段として期待されています。

1-2. 記事の目的と概要

さて、本記事では、AIを利用したUX設計手法とその具体的なツールを紹介しつつ、どのような未来が予想されるのかを考察していきます。

2. AIを用いたUX設計手法

2-1. AIによるユーザーインタビューの自動化

AIはユーザーインタビューを自動化することで、従来よりも迅速かつ効果的にデータ収集を行います。自然言語処理(NLP)技術を用いた会話型AIは、ユーザーとの対話を通じてインサイトを得ることができます。例えば、チャットボットを用いたユーザー調査は、その場でリアルタイムにフィードバックを収集可能です。

あと、自動化のいいところは、インタビューされる側にとっては相手が機械なので、より本音に近いコメントができることも挙げられます。これまでのインタビュー方法でたまに起こっていた、インタビューされる側がする側に気を使う、もしくはよく思われたくて、自分が考えていることと違うことを答えるということはなくなりますね。

2-2. ペルソナ作成におけるAIの応用

ペルソナ作成は従来、調査結果を基に手動で行われていましたが、AIを用いることで膨大なデータを基に精度の高いペルソナを自動生成することが可能です。AIはユーザーデータを分析し、行動パターンやニーズを特定します。これにより、より具体的で実用的なペルソナが作成できます。ただ、AIに改善を丸投げすると、架空のユーザー行動や回答を追加してしまうハルシネーションが発生することもあるので、そこは注意が必要です。

2-3. カスタマージャーニーマップとAIの連携

カスタマージャーニーマップは、ユーザーが製品やサービスを利用する際の各接触点を時系列に整理したものです。AIは各接触点でのデータをリアルタイムに収集・分析し、ユーザーの行動や感情の変化を的確に捉えます。これにより、UX設計者はより精緻なジャーニーマップを作成することができます。

3. 主要なAIツールの紹介

3-1. ユーザーインタビュー支援ツール

DialogflowやIBM Watson Assistantなどのツールは、自然言語処理を駆使して、ユーザーインタビューを自動化します。これにより、大規模な調査が低コストで行えます。

3-2. ペルソナ作成補助ツール

AidenやQualtricsなどのAIチャットボットツールは、膨大なユーザーデータを分析して、自動でペルソナを生成します。これにより、データに基づいた精度の高いペルソナが短時間で得られます。

3-3. カスタマージャーニーマッピングツール

JourneyLabsやUXPressiaはAIを活用して、ユーザー行動をリアルタイムで追跡し、カスタマージャーニーマップを作成します。これらのツールは、データに基づいてユーザーの体験を可視化します。

3-4. 総合的なUX設計プラットフォーム

InMomentやMedalliaは、複数のUX設計機能を統合したプラットフォームを提供し、包括的なUX改善をサポートします。これにより、ツール間のデータ連携がスムーズに行われ、全体的なUX設計の精度が向上します。

4. AIを用いてできることとその限界

4-1. AIで自動化できる UX 設計作業

AIはデータ収集、分析、予測などの作業を自動化できます。これにより、UX設計者は戦略的な部分に集中でき、効率化が図れます。これまでより低いランニングコストでユーザー体験を設計できることは間違い有りません。

4-2. 現在のAI技術の限界と課題

ただし、AIにも限界があります。現時点では、感情の理解や高度な創造性が必要な作業はAIには難しい部分があります。そのような中央値から離れた出力結果が必要な場合は、例えばtemperatureのパラメータをプロンプト上で調整することで、ある程度多様性のある作業結果を得られるかもしれませんが、全く新しいものを生み出すことは難しいでしょう。

また、データのバイアスやプライバシーの問題も考慮しなければなりません。実際にすでにイラストなどの創作物などがデータとして取り込まれて出力されることで、訴訟に発展する事例も発生しています。

4-3. 人間とAIの役割分担

AIはデータ分析や予測、定型作業の自動化に優れていますが、最終的な意思決定やクリエイティブな作業は人間が行うべきです。AIと人間が協力することで、より良いUX設計が実現できます。

5. コストと導入の実際

5-1. AIツール導入にかかるコストの内訳

AIツール導入には初期費用、ライセンス費用、運用費用などがかかります。ツールの種類や使用する機能によってもコストは異なります。どのような用途、目的で使うかは事前に検討し絞る必要があります。

5-2. 初期費用と継続コストの比較

初期費用はシステムのセットアップや導入研修などが含まれ、ランニングコストはツールの維持費用やアップデートが含まれます。どちらも予算計画に含めるべき重要な要素です。

6. 業種別AI適用事例

6-1. EコマースにおけるUX設計とAI

Eコマース業界では、AIがユーザー行動の予測やパーソナライズに活用されています。これにより、購入転換率の向上や顧客満足度の向上が図られています。例えばeBayでは生成AIを組み込んだShopBotというアシスタントと対話することで、顧客は10億点以上の商品から、自分に最適な商品を見つけることができます。

6-2. 金融業界のUX設計におけるAIの利用状況

金融業界では、AIがカスタマーサービスの自動化やリスク分析に利用されており、迅速かつ的確なサービス提供が可能となっています。例えばモルガン・スタンレーはOpenAIのチャットボットを金融アドバイザーのアシスタントとすることで、サービス品質や業務効率を改善しています。

6-3. ヘルスケア業界におけるAIとUX

ヘルスケア業界では、診断支援や患者の行動追跡にAIが利用され、患者体験の向上が図られています。AIによるデータ分析がさらに進むことで、予防医療の分野でも活躍しています。例えばUbieは生成AIを活用した事前問診サービスを提供しており、患者ごとに最適化された問診を実現しています。

6-4. その他業種への適用事例

その他、製造業や教育業界など、様々な業種でAIがUX設計に活用されています。各業種の具体的な事例を紹介することで、読者に応じた適用可能性が理解できます。

7. 未来のUX設計とAI

7-1. AI技術の進化とUX設計の未来予測

今後、AIはUX設計のあらゆる場面で活用され、ユーザー理解とデザイン制作のプロセスが自動化されていくでしょう。また顧客ニーズの多様化に伴い、AIによるUXのパーソナライゼーションも機能として充実していくことが予想されます。一方で、UXプランナーは、AIでは実現できない創造性や共感力を発揮し、より革新的なUX設計を追求していく必要があります。

7-2. デザイン思考とAIの共存

AIが進化しても、ビジネスの顧客が人間である以上、人間中心の設計思想であるデザイン思考の重要性は変わりません。AIはあくまで人間のアシスト役です。AIとデザイン思考との共存がこれからは求められていくと考えます。AIがデザイン思考のプロセスを補完し、効率化したとしても、私たちはAIに頼りすぎず、人間ならではの洞察力を発揮することが重要です。

7-3. 今後の課題と展望

今後はデータのプライバシー問題や倫理的な利用が重要な課題となります。これらをクリアしつつ、UX設計におけるAIの利点を最大限に活用するためには、技術と人間の共生が鍵となるでしょう。

8. まとめ

本記事では、AIを用いたUX設計手法や具体的なツール、適用事例、そして未来予測について説明しました。まだいくつかの課題も残されていますが、AIはUX設計の効率化と精度向上に大いに役立ちます。

AIを取り入れたUX設計についてのご相談や、具体的な導入のご提案をご希望の場合は、ぜひ当社までお問い合わせください。経験豊富なUX設計者が丁寧にサポートいたします。


  
     

YOICHI TAKAYAMA

CEO/DIRECTOR

情報設計及びサービスデザインが大好きなWEBディレクター兼バンドマンです。 京都外国語大学外国語学部日本語学科卒。卒業後に上京し、システム開発会社を経てセガサミーグループに入社。コミュニティサイトやサービスサイトの企画立案、アクセス分析、ディレクション業務に従事した後、株式会社キャンビーザライトを設立。設立後は、大小様々な会社のWEB制作やプロジェクトマネジメントを請け負いつつ、ライブ情報共有サイト/アプリ、音楽系動画マッチングアプリ(ベトナム展開)、Vtuberファン向け番組表サービスなどをこれまで自社サービスとして提供、スペシャルティコーヒーのサブスクリプションサービスPost Coffeeの立ち上げに参画など、その活動は多岐にわたる。