WEBディレクター目線で行くAdobe MAX Japan 2017

先日、パシフィコ横浜で開催されたAdobe MAX Japan 2017に行って来ました。

午前中の基調講演では、すでにラスベガスでのAdobe MAXで紹介されている機能などのおさらいという感じもありましたが、
やはり実際にその場の雰囲気を体感し、日本の企業では実際どんなふうに使われているのか?という部分も含めて
見たり聞いたりできたのはとても面白かったですし、良い刺激になりました。

朝から晩までパイプ椅子で腰と背中がバキバキになりましたが、また行きたいと思えるイベントでありました。

もうすでに色々なところでアーカイブやフォローアップ、まとめなどはありましたので、
WEBディレクター目線として見逃せないと思った、全体的な概念や機能についてレポートしたいと思います。

時代は猛スピードで進んでいる

全てを通して、Adobe製品のマインドとして共通していたのは、「クリエイティブに多くの時間を使う」という時代に入っているという事です。

今までは、クリエイターは独自のカスタム(例えばツールの設定、素材の加工、写真の選定など)に、少なからず時間を割いていたわけでありますが、そういった時間は今後ほぼ排除され、すべてAI(後述するAdobe Sensei)に委ねる事になり、クリエイターは、より本質的な「クリエイティブ」に集中する方向に向かっています。

今まで退屈でやりたくないと思っていた反クリエイティブな作業は排除し、考えることなく毎日を過ごせるようになると思うと、 DTPオペレーションのような作業を強いられている人はやや恐怖を感じ、逆に一人で何役もこなしているようなフリーランスクリエイターはこの上ないニュースとなったのではないでしょうか。

Adobe Senseiの凄さ



AIというのは、近年どの業界でも使い始めた感がありますが、取り組みは様々であり、まだまだ可能性を秘めたものとして試行錯誤している。そんな印象もあります。

そんな中で、Adobe Senseiは、明確に「クリエイティブツールの為のAI」であり、すごいのは、何からデータを収集しているか?であり、言うまでもなく、日常的に使われているAdobe製品、すなわち世界中のトップクリエイターのデータが リソースになっているという事です。これはもはや唯一無二のビッグデータであり、Adobe Senseiなしでのクリエイティブワークが考えられない時代がもうそこまで来ているという事に心が震えました。わかってはいたけど。。これが時代の加速か…!

ベータ版内容も一部ライブで見せていただきましたが、精度の高いPhotoshopの一発切り抜き・マスク。 Senseiによる写真の自動選定。手描きスケッチからのイメージ検索など、Senseiの知能には驚くばかり。リリースが楽しみすぎます。

Adobe XD に屈する



今回Adobe MAXに参加したいと思ったのは、他でもなく、XDの可能性をリアルタイムで感じたいと思ったからです。

かなり早いベータ段階からXDに触れてきましたが、リリースされてもなお、進化は止まることを知らず、ほぼ毎月アップデートしているXD。 やはり注目度も、会場の雰囲気、開発チームの情熱を見ていても、他のAdobe製品とも違う熱気を感じました。

「アイデアをすぐ形にする」というのがAdobe XDチームのモットーになっているそうで、強みである起動の速さと、どのセクションのユーザー(ディレクター・デザイナー・デベロッパーなど関係なく)でも学習コストを低く抑えて使えるUIも魅力的です。

XD関連のセッションでは、他のクリエイターがどうやってXDを利用しているのかを垣間見ることができ、実務的な部分で非常に参考になりました。
デザイナーはもちろんですが、ディレクターと開発者・そしてクライアントまでを巻き込んで制作にあたれるツールというのはXDならではと言えるのではないでしょうか。

◆共有するパワー
XDがすごいところとして、どのセッションでも言っていたのが、起動の速さと、シェアスピードの速さでした。 共有機能に優れており、制作に直接関係がないクライアントとも画面遷移やレイアウトをワイヤーフレーム段階から共有することもできるし、デザイナーがデータを受け継いだあとも、同じ環境で共有・コメント・修正などが繰り返し可能です。

さらに、後述するデザインスペック機能でシェアすることで、XDを製品購入していない開発者でさえも、URLからデータを入手し、開発に取り掛かることができるという、全てのユーザーに完璧なシェアデータを共有できるという、まさにドリームツールなのであります。

◆[新機能]デザインスペック
11月から公開となったベータ版の機能「デザインスペック」は、Sketchのプラグインで有名なZeplinのような機能です。
デザイナーから開発者へデータを渡す際、スタイルのコピー、要素の位置などに加え、なんと画面遷移の導線やテキストコピーまでできるようになっています。

従来のプロトタイプツールであれば、1画面を1画像としているため、テキストを拾うことができませんでした。ですが、このデザインスペック機能は、テキストをコピー&ペーストする機能が搭載されているため、もしスピード勝負での作業の場合は、このXDを「原稿」としてデザイナーや開発者に渡す事も可能になると言う事です。インクレディブル!

◆[新機能]レイアウトグリッド
デザイナーだけではなく、設計・構成をする事が多いWEBディレクターからしても、レイアウトグリッドがあるのは非常にありがたい機能となります。たとえ単純なワイヤーフレームだったとしても、デザイナーに共有する際、明確なグリッドレイアウトで設計がされていれば、時間の短縮にもなりますし、大枠とはいえ、情報量の把握にも役立つので、ぜひ使っていきたいと思う機能です。

◆[新機能]jpg書き出しが可能に
ものすごく地味ではありますが、要望の多かった機能だそうで、デザイナーなどにはとてもありがたい機能なのではないかと思います。

XD機能の参考:https://blogs.adobe.com/creativestation/web-november-update-of-adobe-xd

上記に加えて、今回のセッションを聞いて思った事は、ディレクターの時点でXDを使いこなしておけば、プロジェクトによってはエクセルで仕様書・ワードでテキスト入稿など、それぞれのオフィスツールを使わずしても、全てXD上で進行が可能であるという事が「そうなるのでは?」という感覚からより「そうするべき!」という確信に変わりました。

その他個人的な感想メモ

◆落合陽一天才すぎ
情熱大陸で予習しておいてよかった。天才すぎて、何を言っているのか途中わからない時もあったが、要約すると2次元での表現は終わり、デジタルはフレーム(スマホやテレビなどの画面)から出て、現実とデジタルは共存していく。その状態をデジタルネイチャーと呼び、それに向けて研究をしている。

モニターを見ないで仕事ができる日が来ると思うとワクワクするし、彼は今イルカの研究をしていて、イルカのように超音波でコミュニケーションを取れるようになれないかの研究をしているそうで、近未来の話を聞くのはとてもエキサイティングであった。

◆貂明朝フォントへの日本人の関心度


新しい貂明朝というフォントがイベント当日からTypeKitで使用できるようになった。鳥獣戯画にインスパイアされたAdobeオリジナルのフォントで、隠し文字や、新しいカラーフォント機能にも対応しており、イベントスペースは終始賑わっていた。 キャラクター的な貂のイラストもクリエイター女子の心をつかんでおり、書体的にも、意外と癖が強くないので、和風の見出しなどで活躍しそうである。

◆Adobeオリジナルグッズ完売しすぎ
クッションくらい欲しかったのに販売開始と同時に長蛇の列。静まったころにはもうクッションはなく、ポツポツと手袋とクリアファイルが残ってるくらい。もっと補充するべき。

◆長時間のパイプ椅子きつい
セッションとセッションの間は10分程度。その10分もオープン待ちで結局列に並んだりするのでとてもせわしない。私の場合、ランチセッションも聞いたので約9時間パイプ椅子に座っていたことになり、PCを開くスペースもないくらい詰まっているシートレイアウトはエコノミー症候群並みの苦行であった。 しょうがないとは思うが、なんとかしてほしいと思った。

まとめ

  • ・Adobe Senseiは先生ではなくおそらく神になる
  • ・XDがWEB/アプリ制作を爆速にする(と願いたい)
  • ・クリエイターだけでなく、ディレクターも開発者も、クライアントも、みんな最新ツールを使いこなして無駄な時間をクリエイティブな時間にしよう!

今回初めてAdobe MAXに参加しましたが、クリエイターばかりの祭典で、主催がAdobeともなると、演出も華やかですし、見ごたえのあるセッションばかりでとても充実しておりました。でもやはり、欲を言えば、やはり本国アメリカのAdobe MAXにも行ってみたいです!その日を目標に、英語の勉強とクリエイター目線でも活躍できるWEBディレクターを目指して頑張っていこうと思います!
TAKESHITA

WRITER: MEGUMI TAKESHITA

DIRECTOR

隙あらば旅に出たい。

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