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初心者でも安心。ユーザーインタビューのコツ

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近年、様々な分野で定着しつつあるデザインシンキングや人間中心設計などの起点となるユーザー調査。UXやUIの改善の際にも大変有用ですが、やってはみたけど、思うような結果が得られなかった、もしくは役に立たなかった、なんてこともあるのではないでしょうか。

実はちょっとしたコツで対象ユーザーも気づかないような、より深い情報を得ることができます。この記事ではそのコツをいくつかご紹介していきます。

なぜユーザーインタビューが重要なのか。

デザインシンキングの最初のSTEPでもあるカスタマーへの共感。これを得るためには、カスタマーへの深い理解が必要です。相手の悩みや行動、興味なんかも知らずに、自分の経験談だけでいきなり説教始めるような人は性別問わずモテませんよね。「敵を知り己を知れば百戦危うからずや」と昔のえらい兵法家も書き残しています。まずは相手を知ることから始めましょう。

ちなみに、この初手をめんどくさがる、もしくはミスると、これ以降の全ての施策がただの予算の無駄遣いになるなど大変悲しいことになるため(経験談)、それを防ぐためにも、是非この記事を読んでみてください。Let’s start today。

ユーザーインタビューの3つのステップ

ユーザーインタビューには3つのステップがあります。

ステップ1はインタビュー対象者(以下、インタビュイー )探し。当たり前ですが、まずは自分たちのテーマに沿ったインタビュイーを探します。

ステップ2は実際のユーザーインタビュー。事前に作った質問リストを元に、インタビュイーにお話を伺います。

ステップ3は実施したユーザーインタビューの分析です。インタビュー結果を分析し、カスタマーが持つ課題の真因を探りましょう。

では、早速この各ステップで私たちが気をつけているポイントをお伝えしていきたいと思います。

ステップ 1 インタビュイー探しのコツ

適切なインタビュイーを知る

インタビュイーに適切な人とはどのような人でしょうか。プロジェクトのテーマに沿った人であることはもちろんですが、下記のような人であるかどうかも重要です。

エバンジェリストになってくれそう?

様々なことに常にアンテナを張っているアーリーアダプタータイプの人は、気に入ってもらえればエバンジェリストになってくれる可能性が高いです。テクノロジーオタクである必要はないですが、テーマに沿った分野で現状の課題を把握していて、その解決方法を探している方が最適です。

そのようなインタビュイーであれば、得られる情報も深いものになり得ますし、これ以降のソリューションインタビューやプロダクトインタビューにも協力してもらうことも期待できますし、サービスの最初の熱狂的ファンベースになってくれる可能性もあります。

エバンジェリストの探し方

ではそのようなエバンジェリストは一体どこで見つければいいでしょうか。私たちは今まで以下のやり方で見つけています。

  1. 知り合いに当たる
  2. Instagram / Twitterのタグで検索する
  3. Facebookで告知する
  4. 現地に行く

これで見つからない場合は下記の方法もあります。

  1. 社内で探す
  2. 関連するカンファレンスなどに参加する
  3. スポットコンサルティングを利用する

インタビュイーの適正な数は?

webサイトのユーザビリティ研究の第一人者と言われるヤコブ・ニールセン博士は、ユーザーテストの対象者数は5人で十分だと言っています。ユーザーテストを重ねるごとに学べることが重複していくことから、例えば15人規模のユーザーテストを一回行うよりは、5人規模のテストを3回行った方が、同じ人数だとしても、より学べる・得られる情報が多いということです。

同じセグメントのユーザー5人でテストを行えば問題の80%は発見できるとのことです。

参考:ニールセン博士のAlertbox5人でテストすれば十分な理由

ただ、ユーザーインタビューの初期においては、カスタマーのセグメントが不明なことも多く、例えば4つのカスタマーパターンから学びを得たい場合は20人にインタビューを行うことを推奨している研究もあります。

ここで時間と手間のコストをかければ、それだけ課題検証の精度も上がります。とは言え、プロジェクト上どうしても無理な場合も考えられるでしょう。その場合は、カスタマーパターンをまずは絞るなどの検討を経てその数×5人と考えてみてはいかがでしょうか。

最悪、一人でもインタビューは行うことをおすすめします。確実に言えることは、一人もインタビューを行わない場合に得られる学びや情報はゼロだということです。

ステップ2 実際のユーザーインタビュー

インタビュイーが集まれば、次は実際のインタビューです。ここではテーマごとに聞きたい内容は違うはずなので、事前に質問内容はある程度まとめておく前提で、実際にインタビューをする際のコツなんかをお伝えします。では早速行きましょう!

バイアスは毒薬

まずはじめにお持ちいただきたいマインドセットはこちら。私たちは日常生活において、多種多様な情報に晒されています。その全てを処理することはほぼ不可能に近く、自分たちが持つ情報や私たち自身の性格や価値観などを元に無意識に取捨選択を行っています。

普段の生活であれば大変便利な感覚ですが、これがいざユーザーインタビューとなると災いにしかなりません。本来であれば、無垢な心でインタビュー相手のお話を聞くべきなのですが、バイアスがかかった状態だと、ついつい自分の感覚や考え、考えているビジネスやソリューションに都合のいい形にインタビューの流れを持っていったり、ユーザーが持つ真の課題を見落としたり、とろくなことがありません。

この毒薬はユーザーインタビュー全体をいつの間にか蝕んでいきます。インタビュアー自身が答えられるような質問になってないか、インタビュアーがどこかで期待した答えばかりになってないか、など、要所要所でバイアスがかかってないかチェックしてみてください。

好きな人との初めてのデートだと思う

次に大事なマインドセットはこちらです。よく「弟子になれ」って書いてあったりするんですが、スタンフォード大学のd.schoolでデザイン思考を学び、サムスン、メルカリを経て現U-NEXTのCXOであるジャスパー・ウさんが著作の中で書かれてたこちらの方がより正確だと考えています。そんな根掘り葉掘り聞いて都度教えてくれる師匠とかいないですしね。

この後に書く内容は、相手が好きな人であればみなさん自然に行ってることが多い内容です。また、このように考えて進めれば、その好意的な雰囲気は相手にも伝わります。より強い共感を得るためにも、インタビュイーに好意と興味を持って接してみましょう。インタビュイーも心を開いてくれやすいはずです。

インタビューを行う際のコツ

1.インタビュイーに心を開いてもらう

いきなり質問に入るのではなく、まずは簡単なアイスブレイクから入りましょう。なぜその人に話を聞きたいのかを伝えれば、インタビュイーが必要とされている理由もわかるので、質問にも答えやすくなるでしょう。インタビュアーが最近気になってることなどを呼水にして、インタビュイーが興味を持っていることなどを簡単に話してもらうのもいいかも知れません。インタビューされることに慣れている方はそんなに多くないので、緊張していたり身構えていたり、不安に思ったりされていることが多々あります。まずはそれらを解消することで本音を話しやすい雰囲気作りを最初に行いましょう。

2.インタビュイーの話を聞くことに徹する

当たり前じゃねーか、と思われるかも知れませんが、意外にインタビュアーが話したいことを話してしまったり、インタビュイーが回答に悩んでいる時間の空白に耐えきれずに、自身の解釈を入れて回答を促してしまったりすることも多々あります。

できるだけインタビュイーが話し続けられるよう質問を工夫しましょう。例えば、

  • はい / いいえで答えられるクローズドクエスチョンではなく、自由に回答できる「どうしたら」「どのような」「なぜ」などを用いたオープンクエスチョンを投げかける
  • 回答してもらった内容を「なるほど、もっと詳しく教えてください。」と深く掘り下げる
  • 自分たちのソリューション=答えがありきの質問をしない
  • 自分たちのサービス / プロダクトの話は忘れて、インタビュイーが持つ課題について訊く
  • 表現しづらい回答になりそうであれば、回答内容を五段階評価などで数値化してもらってみる
  • 未来(こんなサービスがあれば使いますか、など)ではなく、現在(今どんなサービスにお金を払っていますか、など)に注目する

など…

このような質問であれば、インタビュイーも話しやすいと思います。少しの空白は恐れずに、好奇心を前面に出し、聞き役に徹してインタビューを楽しみましょう。

3.インタビュイーの非言語コミュニケーションにも注目する

インタビュイーの発言だけではなく、それに伴う表情、仕草、態度などから得られる付加情報も非常に大事です。同じ回答でも、心からそう思っているのかどうかということはこれらに現れます。

回答内容と矛盾を感じたら、なぜを掘り下げていきましょう。よりリアルな声や新しい気づきを得られるかもしれません。

4.チェックリストでユーザーインタビューの精度をチェックする

事前に準備した質問を全てこなせたかどうかも大切ですが、下記のチェックリストをクリアできているかの方がより重要です。本来のインタビュー目的を満たしているかどうかを最後にチェックしてみましょう。もしクリアできてないようであれば、質問を追加するなど時間の許す限り対応してみてください。

  • インタビュイー は対象者として適切だったか
  • リップサービスしてないか(課題を意識してないのにインタビュアーに役立とうと気を遣って回答しちゃうとか
  • 設定した課題やペインポイントの存在を確認できたか
  • 痛みの度合いや頻度はどうか
  • 設定した課題へのリアクションは強めだったか
  • 課題は解決可能かどうか
  • カスタマーはその課題を解決しないといけないと考えているか
  • 潜在的な課題を引き出せたか(話してて気付きましたけど系)

ステップ3 ユーザーインタビューを分析する

最後のステップは行ったユーザーインタビューの分析です。私たちはブレインストーミングの際に用いるKJ法というフレームワークを使います。

KJ法で分析するメリット

分析にKJ法を用いる理由は下記が挙げられます。

  • 分析内容が可視化される
  • 可視化されることで、チーム内での議論の土台としての認識が共通化できる
  • トピック同士の関連性などから、新たな課題などが見える化する

折角のインタビューを話を聞いただけで終わらせず、課題検証のためにもしっかり活用しましょう。

KJ法を用いた分析手法

実際の分析は下記の形で行います。リアルの場であれば、ホワイトボードと付箋などを用いて、オンラインであればMiroなどのツールを使うのもおすすめです。

1.インタビュー内容を細かい単位に分けて、付箋で貼る

細かい単位がどこまで、というのは難しいところですが、私たちはその付箋自体で何らかの単一の事象を表しているかどうかで判断します。単語だけになって何の話かわからなくなったり、切り離すことで回答の意図が伝わらなくなる、逆に複数の事象が入っている、などを避けるよう気をつけて分類します。

2.付箋を平面上に展開してグループ化

共通のカテゴリやトピックであると判断できる形で、分析の参加者がグループ化していきます。チームメンバーがそれぞれ仮説を持ちつつ進めます。

3.グループごとに適切なラベルをつける

回答内容の量にもよりますが、大きく10程度のグループ数まで分けていきます。

仮説と議論に基づいて分類したグループにラベル(タイトル)をつけていきます。単語以上文章以下ぐらいの内容だと、次の分析が進めやすいです。

4.グループ同士の関連性を見える化する

それぞれ配置されたグループに矢印とテキストを用いてつなげることで、それぞれの事象の関連性を見出します。その際には意味や因果関係がわかる配置やテキストの追記を心がけてください。

5.課題やその原因を言語化する

引き出した関連性と議論から見えてきた課題を併せて文章化、もしくはペルソナやカスタマージャーニーマップなどのフレームワークに落としてみてください。文章化or資料化することで、分析の中で検討が抜けていた点や、行間として見えてなかった部分などに気づくことができます。

KJ法で分析を進める上でのちょっとしたコツ

チーム内で議論しながら分析していくと、チームメンバー間のインタビュー内容へのより深い共通理解と重要な気づきにつながると思います。なるべく多くの視点を得るためにも、複数メンバーで実施しましょう。

手を動かしながらチーム内であーでもないこーでもないと進めてみてください。もしだらけたり、逆に議論が活性化しないようでしたら、時間を切る、ファシリテーターを置いて進行管理するなどの対応も有効です。

ユーザーインタビューのコツのまとめ

ここでいかがでしたか、などと書いちゃうと胡散臭いブログみたいになっちゃいますが、各ステップの一つ一つをクリアしていくだけでも、精度は相当上がるはずです。実際やってみるとすごく楽しいので、皆さんもぜひ実施していいサービスやプロダクト、サイト作りに活かしてみてください。

株式会社キャンビーザライトでは、ワークショップのお手伝いや、実際のユーザー調査のサポートも行っています。記事は読んでみたもののまだ不安だな…、という方がもしいらっしゃったら、是非ご相談ください。

  
   YOICHI TAKAYAMA   

YOICHI TAKAYAMA

CEO/DIRECTOR

情報設計及びサービスデザインが大好きなWEBディレクター兼バンドマンです。 京都外国語大学外国語学部日本語学科卒。卒業後に上京し、システム開発会社を経てセガサミーグループに入社。コミュニティサイトやサービスサイトの企画立案、アクセス分析、ディレクション業務に従事した後、株式会社キャンビーザライトを設立。設立後は、大小様々な会社のWEB制作やプロジェクトマネジメントを請け負いつつ、ライブ情報共有サイト/アプリ、音楽系動画マッチングアプリ(ベトナム展開)、Vtuberファン向け番組表サービスなどをこれまで自社サービスとして提供、スペシャルティコーヒーのサブスクリプションサービスPost Coffeeの立ち上げに参画など、その活動は多岐にわたる。

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